日本の自然災害 500~1995年

ページサンプルはこちら

書籍「日本の自然災害500~1995年」のご案内

台風災害(サンプル)

室戸台風

室戸台風

強風になぎ倒された大阪電気軌道(現、近鉄)の電車と電車線支柱

昭和9年(1934年)9月21日、関西地方の心臓部を直撃した室戸台風は気象観測開始以来最強の台風で、京阪地区に甚大な被害をもたらした。写真は強風になぎ倒された大阪電気軌道(現、近鉄)の電車と電車線支柱。
(毎日新聞社提供)

『室戸台風の被害データ』

死者・行方不明 3036人
負傷者 1万4994人
家屋全壊 3万8771戸
家屋半壊 4万9275戸
家屋流出 4277戸
家屋浸水 40万1157戸
橋梁損壊 5800カ所
道路損壊 1万7703カ所
堤防決壊 1万1594カ所
船舶流失沈没 1万4421隻
船舶破損 1万3173隻

(中央気象台「気象災害年表」)

『室戸台風の進路図』

室戸台風進路

校舎の被害と学童の死

室戸台風は日本で気象観測を始めて以来最も強い台風で、しかも関西地方の心臓部を直撃して甚大な被害をもたらしたが、本災害の大きな特徴の一つは学校校舎の倒壊が多かったことである。大阪で風速が20m/sを超えたのは7時40分頃で、最も激しかった8時前後からわずかの間に小中学校の木造校舎倒壊が相次いだ。当時は気象情報伝達設備が未発達で、室戸岬での気圧や風速も大阪の気象台にすぐには伝わらず、大阪市が暴風雨域に入った時には、すでに登校が始まっていたため、多数の学童が倒れた校舎の下敷きとなって死亡した。机の下に避難した生徒はほとんどが助かったが、廊下とか校舎の外にいた生徒の多くは圧死したという。京阪神あわせて293校が全壊、生徒・教職員893人が犠牲となったと記録され、児童を助けて自らは犠牲となった先生や、天皇陛下の写真を守ろうとして殉職した校長の悲話が多数伝えられた。

その後の調査から、木造校舎多数が倒れた原因は、建物自体の老朽化のほか、柱に筋交いが無いという構造的な欠陥もあることが指摘されて、以後建築上の改善が進められるにいたったが、同時に風雨が強い場合における学童の登校に関しても論議され、危険と認められる場合には臨時休校とするなどの措置がとられるようになった。