日本の自然災害 1995~2009年

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書籍「日本の自然災害 1995~2009年」のご案内

モンセラート島のスフリエールヒルズ火山の火砕流災害(サンプル)

中米のカリブ海に位置する英国領モンセラート島は、島の南半分をスフリエールヒルズ火山が占める火山島である。年代測定から17世紀と推定された溶岩ドームを除いて、1995年まで歴史上に噴火の記録はなかった。1994年6月に群発地震活動が観測された後、1995年7月に小さな水蒸気爆発が発生し、11月16日に新しい溶岩が出現し、溶岩ドームが成長した(中田・清水、1995)。1996年3月には溶岩ドームが崩壊することによる火砕流が発生し始めた。溶岩ドームの成長は継続し、1997年6月25日には規模の大きい火砕流が発生し、立ち入り禁止区域に入っていた住民19人が犠牲になった。火砕流は海岸まで達し、またブルカノ式噴火も発生した。
溶岩ドームの成長は1998年から1999年は一時停滞したが、2000年から再開し、2003年7月12~13

日に再び規模の大きい溶岩ドームの崩壊に伴う火砕流が発生した。火砕流は海岸まで到達したため、0.5~1.0mの津波が65km離れたグアデロウプ島でも観測された。この後、溶岩ドームの成長は休止したが、2005年半ばから再開し、2007年まで継続した。
噴火前のモンセラート島には、約15000人の住民が暮らしていた。噴火が長期間継続しているため、この間、住民の島外への避難など,経済的にも難しい問題が発生した。人口は一時的に3000人にまで減少した。モンセラート火山観測所(MVO)では、地震や地殻変動、火山ガス等の観測により、活動状況を把握するとともに災害を防ぐためのアセスメントを行っている。この火山の防災対策の特徴は、火山活動予測に確率を積極的に導入している点である。
(写真-15~17)

モンセラート島スーフリエールヒルズ火山の噴火

写真-16
モンセラート島スフリエールヒルズ火山噴火で発生した1996年の火砕流。住宅地を破壊した。
(写真はコール氏による撮影、アスピナール氏提供。)

モンセラート島スーフリエールヒルズ火山の噴火

写真-15
モンセラート島スーフリエールヒルズ火山の噴火。噴火は1995年から開始し、火砕流を発生させた。
(写真はコール氏による撮影、アスピナール氏提供。)

火砕流により破壊された市街地

写真-17
ヒルズ火山の噴火。火砕流により破壊された市街地。
(アスピナール氏提供)